新しい人事制度を導入する目的は、「生産性を高めるために働き方を柔軟にすること」と定めました。そして、この目的を達成するために、2020年の1月から4月にかけて、7つの制度を一挙に導入します。
吉田 「職種や年齢、ライフステージに合わせた働き方が選べるように、7つの制度を導入しました。導入したのは、フルフレックスタイム制・定年再雇用制度・リモートワーク制度・副業制度・短時間勤務制度・地域限定社員制度・時間単位有給休暇制度の7つです。
7つの制度を導入したことで、60歳を超えた社員がイキイキと働けるようになったり、時間単位で有給を取ったりできるようになりました。中には、子どもがいる従業員が在宅勤務の休憩時間に免許センターに通い、免許を取得した例もあります。働きながら新しいことに挑戦し、自分の行動範囲を広げられた例ですね。
会社としては、副業を認めたことで、多様な人材を確保できるようになりました。もちろん、当社で長く働いてもらうことが前提ですが、自分のやりたいことを持っている従業員もいます。従業員が自分のやりたいことに挑戦できる環境を作ったので、意欲を高く持った人が働いてくれていますね」
7つの制度を含めた人事制度には「つ な が り」という名称がつけられました。そこには、人事労務課のある想いがあります。
吉田 「『つ な が り』には、『つちやかばんとながくリレーションを深められますように/リンクし続けられますように』という意味が込められています。当社で働いていることを誇りに思ってほしいですし、少しでも長く働き続けてもらえたら、それほど嬉しいことはありません。安心して長く働き続けられることは、日本のものづくりが長く続くことにつながるとも考えています」
新しい人事制度の導入がきっかけとなり、「より他部門のことや従業員のことを知る必要がある」という認識が、人事本部内に生まれました。その一環として、社内のコミュニケーションの活性化等を目的にコミュニケーションデザイン課が作られ、社内報が立ち上がったり、この効果で今までより社内コミュニケーションが生まれたりなど、従業員同士の理解が深まるきっかけにもつながったと吉田は話します。