プロジェクトはコアメンバーが離れていった状況でしたが、BSフジから活動を取材したいというオファーがあり、テレビ出演を果たしました。テレビ出演をきっかけに、視聴者の方から「自身の勤める私立高校で、探究学習の授業を受け持ってほしい」という依頼を受けました。
多田 「今までの活動では、単発のイベントの繰り返しで、継続することによって生まれる変化などがわかりにくいものでした。しかし、今回ご依頼をいただいて、長期的に生徒と関わるプログラムをつくり、活動自体も長期プログラムをメインにすることにしました」
このプログラムでは「ANOTHER TEACHER スペシャル授業」として、2021年3月から4カ月間、毎週土曜日に合計50コマの授業を実施しました。授業では「天才を見つけるワークショップ」「意識が変われば世界が変わる」「理論と感情を使いこなす」「クラスの仲間と本気で向かい合うための心構え」など、マインドセットの部分を中心にプログラムを構成しました。
多田 「それぞれの授業は、リアルとオンラインの実施を織り交ぜながら、大学生・大学教授・専業主婦・起業家などさまざまな“せんせい”に登壇いただき、本気で生徒と向き合うことができました。
授業を始めた初期は生徒たちは自分自身の強みに気づいておらず、自己肯定感が高い状態ではありませんでした。また、度重なる緊急事態宣言により、オンライン学習が続き生徒同士の信頼関係も築けていない状態でした。
しかし、プログラムを通して、生徒たちが自分では気づいてない強みを他の生徒に見つけてもらうことで、自己肯定感を取り戻すのと同時に、クラスメイトが自分のことをしっかり見てくれているということに気づくことができたようです」
その結果、「学校生活を楽しむ様子が見られるようになった」、「不登校だった生徒が『自分もクラスメイトが大好きになりました!』と言ってくれたり、第一志望を目指す勇気が出なかった生徒が『思い切って〇〇大学にいきます!』と自信を持って発言してくれたりするようになった」という声が先生方からも届いています。
生徒の変化を感じた学校からは、次年度も継続しての依頼を受けています。