働き方改革の風土をつくるために始まった働き方デザイン。メンバーの意見も取り入れながら、大竹はさまざまな取り組みを実施しました。
大竹 「まず始めに取り組んだのは、管理職の意識改革です。外部コンサルによる管理職研修を実施して、多様な人がなるべく短時間で働く『人口オーナス期のマネジメント』を意識してもらうことから始めました。こちらは約2年かけて継続的に実施しました。
もう一つの大きな取り組みが『カエル会議』です。カエル会議とは、自分たちのありたい姿をチームで議論しながら決定し、ありたい姿に向かうためのアクションを実施するものです。カエルという言葉には、働き方を『変える』、早く『帰る』、人生を『変える』などの意味が込められています」
カエル会議では「どんな意見も出そう、出た意見を否定しない、リアクションする」をルールとして定めています。最初はこのルールをうまく取り入れられないチームもあったものの、徐々に「本音で話し合うことの大切さ」をメンバーが実感し始めたことを、大竹は感じました。
大竹 「カエル会議の中で、あるメンバーが『休みの日に電話に出ることが当たり前になっているけど、みんなはどう感じているのか気になります』と発言したんです。その発言がきっかけで、他のメンバーも同じ思いを抱えていることがわかりました。
自分たちで課題を見つけて、どうすれば課題を解決できるのかを考えた結果、休日は携帯をオフにするルールが導入されました。ただ携帯をオフにするのではなく、店舗で働くメンバーへの周知方法などもしっかりと考えた上で導入にいたりましたね」
さらなる取り組みとして、オンワードでは10日間の連休取得を推進する新制度「マイゴールデンウィーク制度」を2020年3月からスタートさせました。
大竹 「マイゴールデンウィーク制度に関しては、メンバーの意見も分かれていました。1年中お店を開けていることや、商品のサイクルが早いといった業界の特性上、『10連休は無理だろう』という声があがっていたからです。たしかに今まで通りの仕事をしていれば、10連休を取ることができないのは明確でした。
否定的な意見もあった一方、『10連休が実現できれば通常の仕事の仕方も変えられる』など、前向きな意見もありましたね。10連休を取るために何をしなければいけないのか、メンバーがそれぞれで考えて実施しました」