ノヴィータでは、ライフイベントがあっても働き続けやすい環境を作るための取り組みを試行錯誤し続けてきました。そのきっかけは、三好自身のライフイベントによる環境の変化や予期せぬ入院です。
三好 「当時、会社は活気に溢れていましたが、仕事が属人化しており、お互いが仕事のフォローをする体制は少なく、それぞれでなんとかこなすという前提で回っていました。結婚や出産などのライフイベントや将来のことを考えたときに、今の働き方では、働き続けるのは難しいと不安を感じていました」
2015年に2代目社長としてのバトンを受け継ぎ、三好が感じていた不安や懸念を解消するために、社員総会、自身のミッションの明確化、全社参加のライトニングトーク大会、マネジメント層参加の研修兼会議、自身の強みの明確化に注力し始めました。これら5つの取り組みは、自分がどう働きたいかを考えるための情報や、きっかけづくりであると考えていました。
また、2016年ごろからは、リモートワークという働き方の選択肢は、社員の働きやすさのみならずBCPの面でも必要になるだろうと見越して、DXを推進。クラウド環境に情報を集約し、どこでもアクセスできることをベースに設計していきました。
三好 「私自身が産休を経て職場復帰後、産休前と同じペースで仕事ができると思っていたけれど、うまく進まず周りにも申し訳ないと思いながら毎日を過ごしていた経験があります。そのため、働きやすい環境作りを進める中で、最初は“今後ライフイベントを迎える社員のために”という想いが強くありました。
しかし同時に、まだライフイベントが起こっていない社員はフォローに回ることが多く、フォローされる側との認識差が大きかったのも事実です。新しいことを行うときは、必ずハレーションはありますが、より多くの人に良いと思ってもらえるように、運用のフローを変えながら進めていきました」
2018年、働く“ストーリー”をあつめるアワードプログラム、Work Story Award2018に5つの取り組みを応募し、1次選考を通過。ノヴィータの取り組みや考え方は多様な働き方につながるものであることを確信し、働き方改革の定着をより進めていくべく、既存の5つの取り組みを継続して行いました。
三好 「これらの取り組みは、最初から綿密な計画があったわけではありません。目の前の課題や事例に対して模索しながら取り組み、形になってからは常に改善することを繰り返してきました。
その中で注意したことは、取り組みをやりっぱなしにせずに、より良くするためにはどうすればいいのかを考えることです。そして、それを叶えるために、実際に利用する社員を巻き込みながら取り組みを進めました」