グランディーユが展開するカフェ事業やケータリング事業では、障がい者と健常者が共に働いています。代表の小笠原 恭子は、公的資金を使用せず、利潤追求する法人化を選んだ理由を次のように話します。
小笠原 「健常者の方の場合、自分が理想とする働き方や場所、そしてキャリアアップを目指して職場を選びますよね。ところが、障がい者の方は働く場所が限定されやすく、みなさんが理想とする働き方がなかなか実現できていないと感じていました。
このままでは働き方の選択肢だけでなく、個々が持つ可能性まで狭めてしまうと思い、“誰もが自分らしく働ける場所”を選択できる社会にしたいと思ったんです。その取り組みの一つとして、一般社会に近い労働環境を作るため法人化を選びました」
グランディーユには、福祉制度を利用した労働環境ではなく、自らの意思で働ける環境を求める方々が日々やってきます。その一方で、障がい者を雇用している企業からの相談も増えていきました。
小笠原 「最近では法定雇用率の義務付けや人材不足により、障がい者や働きづらさを抱えた方を雇用する企業が増えています。
しかし、採用はしたものの、コミュニケーションの方法や指導方法がわからない。また突然来なくなってしまったという悩みも多く、お互いが気持ちよく働くためには、企業側へのサポートも必要だと感じました。
私たちの事業では、障がい者や働きづらさを抱えた方の離職率が低く、また定着率も高いといった実績があります。そこで、これまで培ってきたノウハウを伝えることができれば、もっと多くの企業が雇用に積極的になり、社会が豊かになるのではないかと考えました」
2022年2月現在、グランディーユは障がい者雇用で悩む企業のために、培ってきたノウハウを活かしたハンズオン支援も行っています。