2015年の創業以来、サプライズプロデュースやオリジナルウェディングプロデュースなど、「幸せ」をテーマに事業を行ってきた株式会社スペサンは、お客様を幸せにすることに全力で向き合い、成長してきました。また、お客様の幸せのためなら時間をかけることをいとわない姿勢や、仕事に情熱を注ぎ、最高のパフォーマンスを発揮する風土が定着していました。
しかし一方で、少人数からスタートしたことによる慌ただしい業務進行や社員同士のコミュニケーション、社員の働き方には課題があり、持続可能な成長を実現することは難しいのではないかと懸念されていました。
佐藤 「今、夢中で仕事をして幸せを感じていたとしても、仕事やプライベートの状況が変わり、同じようにあり続けられるとは限りません。しかし働く私たちが幸せで居続けなければ、仕事を通じてお客様に幸せをお届けすることはできないのではないか? 社員が幸せに働くことで、提供するサービスの質も良くなるのではないか? と考えました。
そこで、まずは自身の周りから幸せを感じてもらえるようにしようと思い、自らCHO(Chief Happiness Officer)を名乗り、社員の幸福度を高める施策に取り組み始めました」
日本でも少しずつ浸透し始めたCHOの役割は、社員一人ひとりが幸せを感じながら働くためのサポート。社員の幸福度に関する現状を、科学的なアプローチによって把握、評価し、誰もが幸せに働ける職場環境の構築・改善を行います。
佐藤 「私がCHOとして取り組んだこと自体は難しいものではありません。お花を買ってきてお手洗いに飾ったり、お菓子を配ったり、みんなが喜びそうなことをどんどん実践しました。
勝手にCHOを名乗り始めたので、周囲からの反応は『CHOって何?』『楽しそうにやってるね。いいね!』というもので、好意的に受け止めてもらえて良かったと思っています。
しかし、このまま取り組みを続けるだけでは、“良い人”で終わってしまうという懸念が生まれました。そして次第に幸福度の変化を可視化するものはないかと考えるようになったのです」
幸福度の変化を科学的に可視化するために、心理学や脳科学からのアプローチを調べる中で、佐藤は社員の幸福度を高める小さな取り組みは事業成長につながることが証明されていることを知りました。
佐藤は早速、自身の取り組みを論文やデータをもとに、効果があることを社内にプレゼン。その内容が認められ、2020年には会社公式のCHOになることができました。