ホワイトプラスでは事業の拡大とともに、ベンチャー出身者にとどまらず、クリーニング業界、物流、大手Slerなど、様々な業界で働いていた方を社員として迎え入れてきました。
しかし、社員数が50名を超えてくると、社員同士の価値観の違いによるコミュニケーションエラーや、仕事の進め方の違いによる問題を引き起こすリスクが生じてきます。
高見の所属するHRグループでは、これらのリスクを抑えるために、共通の価値観や考え方の軸を決める必要があると考えていました。また、子育て中の社員が多く、社員のライフステージやライフスタイルに合わせた、柔軟な働き方に対応する必要も感じていました。
高見 「当社が属するIT業界では今後、IT人材不足が予想されています。またIT人材は流動性が比較的高いのが現状です。そのような中で、今いる社員の働きやすさを追求するのはもちろんのこと、いかに“その会社で働くことの意義=働きがい”を感じ、生産性高く働いてもらうか、そして新たな人材を確保しつつ成長できるかは重要な経営課題でした」
そうした課題は、バリュー策定プロジェクト始動前の2017年に取得したエンゲージメントサーベイのスコアにも表れていました。エンゲージメントサーベイのスコアが導入企業の平均よりも低く、働きがいのある会社と社員が胸を張って言える状態ではなかったのです。
バリュー策定前は、共通の価値観や考え方の軸として2013年に制定した“人材理念“がありました。しかし、人材理念は抽象的なあるべき姿を示していても、今日明日をどう動けば良いのかという具体的な行動の指針にはなっていませんでした。
高見 「人材理念の項目は8つありますが、社員からは数が多すぎて覚えられないという意見も多く挙がりました。また、理念に沿った行動をした社員を毎月表彰していましたが、選ばれる基準が不透明で社員の納得感も薄い取り組みになっていました。結果的に理念浸透には至らず、人材理念が形骸化していたのです」
これらの状況を改善するため、バリュー策定プロジェクトが立ち上がりました。