当初、経営陣が働き方を変えようと言っても、現場からは「口で言うのは簡単ですよね」といった声があがっていました。
そこで堀地やおもてなし部の三浦 正嗣などが実際に店舗に行き、社員やパートたちと一緒になってミーティングに参加し、付箋ワークを通じてコミュニケーションを図りながら、現場における働き方の改善に向けて距離を縮めていったのです。
こうしたことが、7つ目の施策であるボトムアップ型のミーティングにつながります。
三浦 「やはり常務取締役の堀地が店舗のミーティングに参加し、店舗スタッフと正面を向いて現場の意見をしっかりと聞く姿勢をもてたことが良かったと考えています。
例えば『休みが取れない』という意見があると、すぐに本部に持ち帰って『来月に店休日を作ったから』と、あがってきた声にもスピード感のあるフィードバックを繰り返しました。そうやっていくことで信頼関係を現場と築くことができました」
今までのミーティングは、店長をはじめ上の意見が通りやすい面がありましたが、パートも含めてみんなで意見を出すことで、アイデアも多く生み出されたと堀地はいいます。
堀地 「そこで気付いたことはたくさんありました。付箋ワークによって、現場から良いアイデアがたくさん出せたことも画期的でした。そして普段あまり話さない人の方が、とても的を射た意見を書いていて、『この人は普段こんなことを考えていたのか』と驚いたこともありましたね」
ある店舗では、スキルマップシートで個人のスキルを見える化したことで、パートがお寿司の握り方を覚えたり、「この仕事を覚えたい」という声が本人からあがったりと、オールマイティに仕事ができる人が増えていくことで、属人化の解消にも成功しました。