こちらオモロイの発信基地! OMOROOORK!
ほんまのほんまに偶然の出会い
私たちの出会い……実はあまり覚えていません。とにかく、名古屋で開催された、とあるイベントで偶然横の席に座ったことが始まりです──。
イベントのテーマは「働き方改革」。フジッコ株式会社に勤め、ダイバーシティ推進室(当時)に所属する豊田麻衣子。株式会社オカムラに勤め、共創空間“bee”のコミュニティマネージャーを務める岡本栄理。ふたりは、それぞれの社内でこのキーワードをけん引する立場にありました。
豊田 「私はもともと海上自衛隊にいたんですが、とんでもない転勤の多さと、理不尽な挫折の多い組織に辟易し、15年を区切りに、約 2年半前の 2017年 4月に転職しました。転職先のフジッコでは、できるだけ穏やかに過ごしたいと願っていたのですが、なんと “働き方改革 ”の先導者に。なんでやねん!と思いました。なぜなら、改革には逆風がつきものだからです。穏やかに過ごす計画は延期になりました」
岡本 「私はオフィス家具メーカーのオカムラで、もともとは営業事務や経理といったバックオフィスの仕事をしていましたが、 2年前から『 “はたらく ”をお客様と一緒になって考えるプロジェクト』である、 WORK MILLプロジェクトの関西リーダーに就任しました。
Open Innovation Biotope “bee”と名付けた共創空間で、関西人の強みである『自然体とオモロさ』を大事にしながら、リラックスした状態でワイワイと未来のはたらくを考えるイベントの企画・運営をしております。今の日本に蔓延している、『仕事はつらくしんどいもの』という空気を打ち破ることが本当の働き方改革の一歩につながるはずだ!との想いを胸に、活動をスタートさせた直後でした」
それぞれが、堅苦しい「働き方改革」の推進に疑問を持ち、どうせならもっとオモロク改革を推進できないものかと、イベントの間中想いを巡らせていました。そして、イベント終了時に、何気なく名刺交換のためにお互いの正体を知った瞬間、思わず苦笑。
豊田は神戸から、岡本は大阪からわざわざ名古屋に来ていたからです。その場では、ふたりはいったん別れました。ですが、豊田は民間企業に舞い降りてきたばかりで、働き方改革の基礎を勉強しながら、社内で手さぐりの改革を実践している時期でもありました。もちろん岡本がしきりに連呼していた“共創”という言葉の意味もわかりません。
あつかましいのを承知で、すぐに岡本の職場を訪ねることにしました。
豊田 「何?この空間!!!!!うわー。すごい。オモロイ。ここで仕事したい!」
社外で仲間を発見!ほんまもんのチームづくりを実践!!
豊田 「 beeを初めて訪問したときの興奮は今でも覚えています。まさにドラマの中のオフィスみたいで。そこに、岡本さんと中山(美菜子)さんというめちゃくちゃキラキラしたふたりが登場して、オカムラの働き方改革のノウハウを教えてもらいました。考え方は自分の軸と同じだったので安心するとともに、“お外を知る ”ことがオモロクて、うちも負けてられるか!と強い想いが芽生えました」
それから何度も何度もbeeのイベントに足を運んだ豊田は、岡本と一緒にオモロク働き方改革を推進してみたいと思うようになります。しかし、ふたりは別の会社に所属しており、一緒に企画をしたり、活動したりするための基盤がありませんでした。そこで岡本は、豊田が以前から参加している社外勉強会に参加することにしました。
「ホワイトカラーの業務改革チーム」と「組織風土チーム」の発足です。豊田にとって、これは革命的な出来事でした。
社内では思うように仲間を見つけることが困難な中にあって、このふたつのチームメンバーには、ガチンコで本音を話すことができる。苦々しい想いや、悔しさ、やるせなさといった負の感情に心の底から共鳴できる同志を得たことは、引き続き社内改革を推進するための大きなバネになりました。
打ち合わせは、ほとんどbeeで行いました。beeで会議をすると、なんだかオモロクて、わくわくするからです。
さらに岡本が、当時オカムラで働き方改革を推進する立場にあった遅野井宏をチームのミーティングに引っ張り出したことで、双方のチームの議論は深みを帯びました。
「なんのための働き方改革か」「なんのためにイベントを行うのか」こういったそもそも論にも丁寧に向き合い、疑問に思ったことはその場で徹底的に話し合うことで、メンバーはさらに信頼を深めていきました。最終目的はワークショップの開催。月イチで、1回あたり2時間のミーティングを大胆かつ緻密に重ねていきました。
チーム結成から約1年後、「ホワイトカラーの業務改革チーム」において、“社内ご丁寧文化にさようなら”、「組織風土チーム」においては、“働きがい改革はじめませんか”と題したワークショップを、ついにbeeで開催するに至ります。
約50人ほどが集まるワークショップで、ついに豊田が司会者として本領を発揮しました。岡本はその様子をひたすら笑いをこらえて見守ります。
アイスブレイクで、参加者をいじり倒し、“今日は腹を割って話をしよな”と会場を煽る豊田。すると次第に会場に奇妙な連帯感が生まれ、それぞれがそれぞれの職場の“ぶっちゃけ話”を披露し始めます。さすが関西。ぶっちゃけにはさらなるぶっちゃけを。みんな丸裸です。
豊田 「ワークショップって、必ず “ええカッコしい ”な発言をするキラキラ星人が登場しますよね。そんな人、岡本さんと私は求めてないんです。参加者が発する日常の喜怒哀楽に寄り添わんと、ほんまもんの言葉なんか、出てきもしません。
だから私は、開場した段階でそういった獲物をかぎ分けておいて、本番でいじり倒す。ただただそんなことを繰り返してるだけですけど、 3時間後には、こんなことまで言わされてしまったと、なんだか皆さんスッキリした顔で帰っていきはるんです」
参加者の喜怒哀楽に本気で寄り添い、本音を引き出す。綺麗ごとや、上品な言葉だけでは、血の通った会話は成立しないということを体感させ、「これなら自分にもできるぞ!」「自分の会社で実践してみよう!」と思わせたい。豊田と岡本には強い信念があります。
妖精岡本が本領発揮!
さて、岡本は、豊田を社内外を問わず、さまざまな場面に引っ張り出しています。
岡本とふたりそろって大阪大学の講義に登壇したり、豊田が自社では実行できないと悩んでいた企画をbeeで実現したり、オカムラのイベントに豊田を司会として抜てきするなど、会社という枠を超えて、活躍の場を与えます。
岡本 「豊田さんは本当に『自然体でオモロい』の申し子。豊田さんとコミュニケーションを取ると、どっかんどっかん笑いが起こり、みんながいい意味で丸裸にされて、安心感を持って本音を語り出すんですね。その様子はまさに beeで私が実現したいことなんです。
経歴もキャラクターもすべてがおもしろくて、めちゃくちゃ仕事が早くて、でもまったく嫌味がなくカラッとしている。その魅力に引きつけられて、社外はもちろん、オカムラ内でも豊田さんは大人気なんです。これまでも、大阪以外でも東京・名古屋でもイベント経験がありますが、社内から豊田さんに会いにくる人もいるほどです。
そんな豊田さんには beeの場を活用してもらって、豊田さんがやりたいことをどんどんやってもらいたいし、もっと世間に紹介したいと思っているので、何かあればすぐに引っ張り出します(笑)」
豊田 「岡本さんとの出会いで、なんとか生きてます。私にとって、岡本さんは人と情報の交差点。いや、“妖精 ”かもしれません。この出会いと、彼女が次から次へと紹介してくれるたくさんの方々のおかげで、私の考え方やものの捉えは大きく変わりました。それから、私自身が彼女を通じて、オカムラという会社の大ファンになってます。営業でなくとも、会社の価値を上げる方法はあるんやなと思いました」
豊田 「自分の使命は、会社の風土を変えることだと思っています。覚悟を決めて突き進めば、自然と人はついてきます。最近は社内から『応援してます』と声を掛けられる機会も増えました。これからも覚悟を決めてやるだけです。どうなるかは知らんけど」
これからも、OMOROOORKをどしどし発信!
今後、豊田は会社の中で“食”をテーマに、「フジッコの社員が持っている隠し芸」や「社内では当たり前すぎて見落としている価値のある行動」をテーマにしたイベントを開催したいと考えています。仕事の場以外で気楽に笑い合える場づくりを推進することで、フジッコで働く人たちが会社に誇りや愛着を持てるような風土を育てていきたいと考えています。
豊田 「これまでは、心ない声にズドーンとなることもありましたが、今では完全に吹っ切れています。そんなこと、どーでもいい。自分の使命を全うしようと覚悟を決めました。
現在は、組織風土チームで得た手法を活用し、社長と共に全国の事業所を回って、組織風土を改革するためのワークショップを展開しています。また、念願の社内報の担当にもなれたので、フジッコで働く人たちとつながる機会も増えました。なんとか風土を改革して、ほんまのほんまに『フジッコで働くのも悪くないかも 』と思ってほしい」
一方、岡本は……。
岡本 「豊田さんとの出会いから、業種も職種も違う立場であっても、志が同じであれば、自然と共創が始まっていくということを実感したんです。それは私に beeを運営していく上ですごく自信を与えてくれています。今では企業にとどまらず、自治体、大学など本当にいろんな “仲間 "との共創が同時多発的に起きるという嬉しい事象も。
共創とかコミュニケーションって、鼻息荒く取るようなものではなくて、自然体でオモロい!と思えた瞬間に偶発的に起こるもの。それを体感することって、『はたらく』にとってもすごく価値があると思うんです。これからもたくさんの方に beeにお越しいただいて、オモロさに巻き込まれたら自然に仕事に向き合う姿勢が前向きになっていた、という OMOROOORKな人々を増やしていきたいです」
ほんまのほんまに偶然の出会いから2年。ふたりで巻き起こすさまざまな化学反応をオモロク、それぞれのフィールドへ還元する。オモロクから始める働き方改革、いや、働き方快楽?をこれからもごっつい勢いで推進していきます!