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これからの日本をつくる"働き方"のストーリー

"世界最高峰の採用力企業"になりたいから、私たちは社内文化にこだわり続ける

株式会社フロムスクラッチ
AI・ビッグデータを用いたマーケティングプラットフォーム「b→dash」を開発・提供する株式会社フロムスクラッチは創業以来、何よりも"人"に重きを置いてきました。創業以来変わらない、「人事だけでなく全社員で採用に取り組む社内文化」を、さらに大きく育てるべく生み出した新制度「CREW」についてお伝えします。

採用活動に駆り立てるのは、「自分たちが会社を作っていく」という意志

▲2018年現在のオフィス

「人材こそが、企業の最大の競争優位性である」と、フロムスクラッチは信じて疑いません。組織が掲げるミッションに共感し、能力を最大限発揮してくれる社員がいるからこそ、ミッション達成に向かい、よりよい未来を創ることができると考えているからです。

このような考えは、2010年に創業した当時から、すでに社内に根付いていました。

ベンチャーとしては珍しく、創業時から新卒者の採用をスタートし、多くの学生が外資系金融やコンサルティングファームの内定を辞退して入社しています。また、中途採用にも力を入れた結果、グローバルIT企業や、国内の大手事業会社の執行役員クラスなどの経験者が、フロムスクラッチの仲間となってくれました。

そんなフロムスクラッチの執行役員を務める三浦將太は、彼が入社した2015年当時の社内の様子について、このように振り返ります。

三浦 「採用が何より大切という雰囲気が、社内に満ちていましたね。たとえば、採用につながる大事な面談があれば、社内ミーティングよりも優先して当たり前という状況でしたし、採用に向けて何か必要なことがあれば、誰もが嫌な顔ひとつせず協力していました。これ、本当にすごいことですよね。“採用が大切だ”という会社はたくさんありますが、ここまで異常なくらいこだわり、全社員が協力的な会社はなかなか見ません」

こうした文化が生まれたのは、全社員が創業メンバーと同じ目線で、「自分たちが会社を作っていく」という気持ちがあったからこそです。今後、会社の規模がどれだけ拡大しても、人を重んじること、つまり、人材こそが企業にとっての最大の競争優位性であるという組織文化を守っていきたいーー。そう考えた私たちは、人材採用を、”制度”として組み込み、さらなる文化の醸成に注力しようというものでした。

三浦 「制度化の話が出てきたのは、社員数が50名を超えたころでした。人が増えていくと、どうしても一人ひとりが担う責任の量も分散化されていき、当事者意識が薄らいでいく可能性につながります。採用活動に関しても同じです。人数が増えれば、企業経営における最も重要なアジェンダのひとつである『採用』に対する熱量も下がってしまうかもしれない。そうなる前に、より文化として根付かせ、かつ現場間でも採用活動にもっと注力していけるような仕組みを作ろうと考えたんです」

フロムスクラッチが育んできた、「人材こそが最大の競争優位性である」という文化に、制度で”背骨”を通すーー。思い描いたアイデアをカタチにし、フロムスクラッチの成長を加速させるための仕組みづくりがはじまりました。

人材採用への人並み外れたこだわりが、先例なき新制度を生み出した

▲執行役員・三浦將太

フロムスクラッチでは、「b→dash」というプロダクトをより進化させ、オンリーワンかつナンバーワンのサービスに育てるため、2015年に人事制度全体の骨子策定に取り組みました。ここで柱に置いたのが、「型づくり」と「人づくり」という2点です。

「型づくり」は、組織としての再現性を高めるための人事制度骨子です。ビジネスを成長させていくための要素のひとつに我々は「再現性」を掲げています。

優れた成果を出したけど、それを出来るのはひとりしかいない状態、というのは経営的には依存度が高い状態であり不安定です。そのような優れた成果を、入社1年目の若手が担当しても創出できるのが、組織としての再現性がある状態。これを社内ではビジネスサイエンスと呼んでいます。このビジネスサイエンスを促進するため、ナレッジマネジメント制度などを導入しました。これが型づくりです。

もうひとつの「人づくり」は実効性を高めます。どんなに優れた経営方針・プランを発表しても、正しく取り組まれなければ、成果は生まれません。その際の実効性をつくる人事制度の指針が「人づくり」です。

個人の成長をどのように促進・サポートしていくか、上長はメンバーの育成・成長にどのようにコミットしていくか。そのような人づくりのエッセンスを制度に詰め込んでいます。その制度のひとつが、採用をこれまで以上に促進させるための「CREW」です。

それは、採用に貢献する人材を厚く報い、会社全体に人材採用の重要性を再周知する制度――。最初の着想を先例に頼らず考え抜いた結果、徐々にカタチとなっていきます。それがやがて、2016年に制度化されたリクルーティング資格制度「CREW」となりました。

三浦 「CREWの制度設計には、かなりの時間をかけました。今後採用したい人材像の洗い出しからはじめ、そのうえで、そのような人材の採用に貢献できそうな社員の具体的な行動を落とし込みながら、『彼のような人材をもっと作っていくためにはどうするべきか、またそのような人材を評価するにはどうするべきか』と思考を積み重ね、仕組みを練り上げていきました」

CREWというネーミングの由来は、「乗組員」や「仲間」という意味に加え、「世界最高峰の採用力企業への誓い」を意味する英文の頭文字を取ったものです。フロムスクラッチという会社の航海を、一人ひとりが推進し、採用の力によって世界最高峰の実力を獲得する――。CREWには、そんな想いが込められています。

続いて、CREWの具体的な制度設計についてお伝えします。単なる金銭報酬でも表彰でもない、採用文化を育てるための仕組み。ポイントは、「求められる条件の明確化」でした。

採用を成功させるカギは、自社の魅力を理解し、正しく伝える力

2016年にスタートしたCREWの特色は、人材採用における能力発揮や、実際の採用実績などに応じて、4段階の資格を付与するというものです。

たとえば、「自社を理解している」という基準をクリアすれば、1段階目にあたる「Entry」、「役員などの幹部クラスを採用できる」という基準をクリアすれば、最上位の「Doctor」に認定されるという形です。各段階に応じて支給される手当が増えていくため、常に採用力向上を意識することができ、さらにインセンティブを生み出すことができます。

資格の認定は、原則、志願者を対象に半年に1回行なわれ、3つの選考基準に基づいて決められます。その基礎となるのは、「fsテスト」という、会社に関連する知識の定着度を測定するペーパーテストです。毎回、ほとんどの社員がこのテストを90点以上でクリアしています。

三浦 「fsテストでは、会社の歴史やプロダクトなど、フロムスクラッチという会社の魅力を伝えるために必要な最低限の知識を計るためのものです。やはり、会社のことを正しく理解していないと、他社にいる人材に適切なメッセージを届けることはできませんからね」

加えて、資格付与に当たり、「プレゼン」と、直近半年間の「採用実績」の2点も認定基準としました。プレゼンでは、経営陣に対して5分程度、会社の魅力や、目指している世界観、なぜ自分は入社したのか、そこで何を成し遂げたいのかについて語ってもらい、プレゼンの構成やトークスキルを評価しています。

三浦 「3つの基準は設けているものの、杓子定規な運用はあえてしていません。たとえば、採用の成果が出せていない人でも、能力を発揮する芽があれば考慮して登用もします。完璧な制度なんてものは存在しません。制度間に必ず生まれる“余白”を運用側がしっかりと認識し、都度軌道修正をして埋めていくことが求められます」

CREWの導入による、予想外のメリットは、社員のロイヤリティが高くなったことでした。fsテストやプレゼンに取り組むことで、社員は自社について深く理解し、語る機会が増えたため、そのことが会社への愛着を増すことにつながりました。

終わりなき人材採用へのこだわりで、より良い未来を引き寄せる

2016年にCREWが制度化されてから、フロムスクラッチの社内では、以前にもまして採用に積極的に取り組む社員の姿が目に入るようになりました。そこには、採用に対する熱量の好循環が生まれています。
CREWを導入したことにより、社員経由での人材採用であるリファラル採用比率が、平均40~50%に達し、それまでの約3倍にまで増えました(2017年12月時点)。

こうして期待以上の成果を生むことができたCREWですが、「仕組みを生み出せたから終わり」ではありません。

これまで、フロムスクラッチは、マーケティングプラットフォーム「b→dash」という世界唯一のプロダクトを生み、変化の激しいマーケットの中でも堅調に成長してきました。このような成果は、まさに人の力があったからこそ。トップから現場に至るまで、全社員が一丸になって採用に取り組み、優秀な人材が集まった結果です。

人材採用とは、未来の会社を創る行為です。一人ひとりの社員の行動によって、望む未来を早めるか、あるいは遅れさせるかが決まってしまう。だからこそ私たちは、これからの人材採用は、人事だけが行なうものではなく、社員一人ひとりが会社の代表としてマーケットに切り込んでいくものだと考えているのです。

私たちが見据えるのは、世の中のデータが活用され、次々と新たな価値が創造される未来。そうした価値を生み出す人材を、これからも求め続けていきます。

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