“おもてなし業界”の課題を事業で解決!リジョブが心の豊かさあふれる社会を創る
「問題に気づいたからには責任がある」──業界全体を見据えた想い
2009年に創業し、ヘルスケア業界の集客クーポンサイトの運営から事業をスタートした株式会社リジョブ。創業10周年を機に「人と人との結び目を世界中で増やし、心の豊かさあふれる社会を創る」というソーシャルビジョンに一新。企業の成長とともに、掲げるビジョンや事業が段階を経て進化してきました。
クライアント支援Div.グループマネージャーの赤羽 順子は、リジョブ創業3年目に新卒入社。大阪支社長や東日本を管轄する営業グループマネージャーなどを経て、掲載事業の責任を担う現ポジションに就きました。社長室と兼任し、リジョブそして業界全体の発展に心を尽くす彼女は、業界の現状をこう話します。
赤羽 「当社は、美容・ヘルスケア・介護業界を“おもてなし業界”と名付けています。人の手を介し、その技術とサービスで人を癒す業界であり、その根底にはおもてなしの心があるからです」
おもてなし業界は、お客様を癒すホスピタリティ溢れるお仕事ですが、 サービス単価の低さや労働環境など、価値あるお仕事の裏にはさまざまな課題があります」
美容業界では、1年以内の離職率が3割以上と高いのが現状です。長時間労働や休日が少ないなど業界の慣習やサービスの特性から、オフィスワークのような働き方改革が進みづらいのもその原因のひとつです。
ほかにも人材採用や集客のための広告費が経費を圧迫し、そのしわ寄せが従業員の賃金低下などの労働環境悪化へとつながっていることも問題視されています。
また、少子高齢化が進む介護業界では、慢性的な人手不足が起きています。2025年には38万人の介護職員不足が予測されており、外国人労働者をはじめ、これまで介護業界に関わりの無かった学生、主婦やシニア層といった新たな層が介護現場で働けるしくみづくりや、新たな雇用の創出が求められているのです。
赤羽 「私たちは、ご縁があった方々や物事に対し『問題に気づいたからには向き合う責任がある』という考え方をベースに関わる範囲を広げ、事業を成長させてきました。創業当初は『雇用』という切り口で求人サイト運営を通し、業界支援を行っておりましたが、この業界の現状を見たときに、一側面の事業だけを行っていても業界全体は良くなっていかないと考えたのです」
入口から出口までを支援する──おもてなし業界のプラットフォーム構築へ
SPA(Specialty store retailer of Private label Apparel)──企画から製造、小売までバリューチェーンの川上から川下までを一気通貫で行うことで、業界全体により大きな価値を発揮するというアパレル業界のビジネスモデルがあります。
当社は、業界の課題解決とさらなる貢献を広げるため、このビジネスモデルをおもてなし業界に取り入れようと考えました。
赤羽 「従来、当社が行ってきた求人メディア事業は『雇用』支援にあたります。おもてなし業界のSPA構想では『雇用』だけでなく、『育成』という業界を志すところから、就職したその後の『活躍』段階までも網羅し支援するイメージです。
そこでそれぞれのタイミングでのアプローチを通して、業界に携わる方々が生き生きと長く働き輝ける、プラットフォームの構築に挑むことにしました」
リジョブが掲げる「おもてなし業界のSPA」とは、Specialty Platform for Personal Advancement by OMOTENASHIの略です。おもてなし業界に従事する人や業界を志す一人ひとりが生き生きと働き、夢をかなえ、輝けるプラットフォームという意味です。
SPA構想の「育成」支援の取り組みのひとつに「リジョブ奨学金」があります。
赤羽 「美容業界を志す美容専門学生に給付型奨学金を支給することで、業界の未来を盛り上げたいと、これまでに81名の学生に奨学金を支給しています。
また、奨学生から『後輩のために内定者セミナーを主催したい』と声があがり、社内で実施したことがあります。有名サロンのオーナーも賛同してくださり、サロンの選び方や仕事のやりがいについてお話いただくなど、各学校の枠を超え全国各地から約150名の学生が集まったんです。奨学生が次の後輩へ美容業界のバトンを渡すセミナーを自主的に開催する姿を見て、少しずつやってきたことが実になってきたと実感した出来事でした」
「活躍」支援では、おもてなし業界の応援Webマガジンを運営。
赤羽 「いろんなカタチで自分らしく長く働き続けられるように、全国各地の多様なキャリアの方に取材調査を行い、『応援Webマガジン』という形で鮮度の高いリアルな情報を発信しています。独立開業や時短、フリーランスなど多様な働き方を掲載することで、限られた一部の方ではなく、誰もが自分に適したスタイルを見つけ、生き生きと働き続けられる業界の実現を目指しています」
目の前の仕事と社会とのつながりを可視化する「リジョブ式SDGsマップ」
おもてなし業界のSPA構想とは別に、当社の行う各事業やプロジェクトとSDGsとの関係性を可視化し、組織として目指すべき方向性を内外に示す「リジョブ式SDGsマップ」を作成しました。
赤羽 「当社は、事業を通して社会課題や業界課題の解決を目指しています。ただ、社内外に『社会性のある事業をしている』と言っても、伝わりにくい部分がありました。そこで、SDGsと絡めて可視化させることにしました。大学時代に現SDGsの基礎を創った教授のゼミで学んだメンバーを中心に骨子をつくり、代表を交えたディスカッションを経て、作成しました。
『社会・業界に与える経済価値』 を縦軸とし、ソーシャルビジョンである『“心の豊かさ溢れる社会”実現への貢献』を横軸としたのですが、当社ならではの軸を何にするかが一番大変でしたね」
SDGsは「環境」「社会」「経済」に分類できるため、各事業とプロジェクトをそれぞれに配置しました。
「環境」に分類される「つぼみプロジェクト」は、事業以外の側面からも社会に価値提供をしたいという想いのもと、2019年にスタートしたプロジェクトです。
埼玉県に3反の田んぼを借り、子どもたちや高齢者の方々との世代を超えたコミュニティづくりを目的に、地域の皆様をご招待して田植えや稲刈り体験、炊き出しイベントなどを企画・実施しています。収穫したお米は豊島区の子ども食堂に寄付するなど、積極的に地域に働きかけ、誰ひとり取り残さない豊かな社会づくりを目指しています。
そして「社会」に分類される、2015年にスタートした「咲くらプロジェクト」。これは現地のNPOとタッグを組み、途上国の方を対象に無料で受講できるセラピスト養成講座を開講し、世界の美容・リラクゼーション人口を増やす活動です。
すでに500名以上が卒業し、2020年には咲くらプロジェクトのための新スタジオを、フィリピンの首都マニラに開設しました。現在、新型コロナウイルスの影響でスタジオ利用は控えていますが、オンライン講座の教材作成など、活動を継続しています。
持続可能性につながる、社員が働く1時間分のお給料が誰かの学ぶ1時間に相当する「一時間プログラム」を企画したり、社内で一杯50円で提供するコーヒー代の利益分を咲くらプロジェクト運営資金に回すといった工夫をしています。
SDGsマップを作成したことによる効果を赤羽はこういいます。
赤羽 「環境や社会に対するアプローチは、行動と目的が一致しやすくわかりやすいのですが、『経済』に分類される事業は、仕事をする上で、『これが何につながっているのか』を見失うこともあると思うんです。マップのおかげで、この一つひとつの仕事が当社の考える『心の豊かさ溢れる社会の実現』につながっているんだと、それぞれのメンバーが再確認できるものになっています」
事業だからこそできる課題解決法がある。そこにチームリジョブで挑んでいく
2019年11月2日、リジョブ設立10周年の日。これを記念して、11月2日を「リジョブの日=1102(いい縁につながる)日」として、一般社団法人日本記念日協会へ記念日登録しました。創業以来、お客様だけでなく数々の人とのご縁により成長してきたリジョブ。今後も事業やプロジェクトを通し、人と人との結び目を紡いでいきたい、という想いを込めています。
赤羽 「おもてなし業界を豊かにしていくことが、社会を豊かにすることにつながると思っています。第三者の立ち位置にいる私たちだからこそ、働き方への啓蒙活動やサポートが大切だと実感しています。ボランティアではなく、事業だからこそできる課題解決方法があるはずだと常々みんなと話しています。
簡単に人と人とがつながれる時代だからこそ、そのつながりが良いご縁となるよう、これからも温もりある結び目を世界中に増やし『心の豊かさが溢れる社会』を紡いでいきます。業界全体をより豊かに、一人ひとりが輝けるようにしていくためにはリジョブが必要だ、と思ってもらえるようなパートナーになっていきたいです」
私たちは今後も「誰かのために、自分たちの力を役立てたい」という利他の精神を大切にし、事業を通して業界や社会課題の根本解決に、チームリジョブで挑んでいきます。