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集え、未来の変革者となる中高生!「Command"F」が学生の活躍の場をつくる

株式会社ガイアックス
中高生が発案したアイデアを実現するコミュニティとして創設された「Command”F」。このコミュニティを立ち上げた、株式会社ガイアックスのインターン生である高橋 隼斗が、立ち上げの経緯や想いを語ります。

熱い想いを持った中高生が活動の幅を広げられる場をつくりたい

▲「Command”F」の創設者である高橋 隼斗

2020年3月に創設されたコミュニティ「Command”F」。立ち上げ当初の参加者は3名でしたが、2020年9月には65名となり、その後も毎月10名ペースで参加者が増え続けています。

高橋 「僕たちのコミュニティには、想いやアイデアを周りに理解してもらえず孤独を抱えていた、という中高生が多くいます。そんな彼らの持つ“想い”を発信し、同世代で共感し実行に移していけるのが、Command”Fなんです」

Command”Fには、孤独を感じ悩んでいる中高生だけではなく、すでにインターンや起業を経験している中高生も参加しているため、同世代同士で良い影響を与え合うことができています。

さらに、ビジネスコンテストの主催やプロジェクトや事業を共に進める仲間を見つけるきっかけを提供するなど、熱い想いを持った中高生のサードプレイスとして、コミュニティ活動の幅を広げています。 

立ち上げのきっかけは「過去の自分を救いたい」という想い

▲ガイアックスのコワーキングスペースを活用し、コミュニティづくりをスタート

Command”Fを立ち上げるきっかけについて、高橋はこう話します。

高橋 「高校生のころの僕は、自分はどんなことが好きなのか、将来どんな仕事をしていくのかがわからず、不安を抱えていました。起業して社会の課題解決に挑戦する道を選びたいという想いはあったものの、当時周りにそのような友人はおらず、誰にも相談できずにいました」

情報収集するうちにビジネスコンテストやミートアップの存在を知り、そこで同世代の熱い高校生たちと出会った高橋。彼らもまた自分と同じように孤独を感じながら自分が社会に対してどういう価値を提供できるのか模索していました。それを相談できるのは、先生でもなく、同級生でもなく、そういった境遇を生きている数名の同世代でした。

高橋 「自分と同じように悩む中高生の存在を知ってから、彼らが求める情報に早くたどり着くことができ、想いを実現するサポートができる場が必要だと考えるようになりました。

そして、ベンチャー企業のミートアップイベントで出会ったガイアックスの社員さんにこのアイデアを話したところ、『僕たちも、スタートアップに興味がある中高生と出会える場が欲しいと前から思っていました。会社のコワーキングスペースを利用してコミュニティをつくってみますか?』と言っていただけたんです」

そこから高橋は、ガイアックスにインターン生として入社します。

高橋 「こうしてCommand”Fは、ガイアックスの全面協力のもと、ガイアックス社内にあるコワーキングスペースを使って運営させていただくことになりました。早速交流会を企画・開催し、初回の参加者は数名という状態からスタートしました」

立ち上げた途端、「オフラインでの開催ができない」という課題に直面

▲Slackでのコミュニケーションの様子

ガイアックス社内のコワーキングスペースを使って交流を始めたCommand”Fですが、すぐに新型コロナウィルスの影響で外出自粛要請が出たため、オンラインへ移行せざるを得なくなりました。

高橋 「立ち上げて間もない時期なのに、コミュニティの参加者同士が実際に顔を合わせて交流することができなくなってしまいました。ただ、中高生は普段からSNS上でのコミュニケーションには慣れています。だから、オンラインで参加者同士が本音で意見をぶつけあい、想いを実現する場をつくることは可能なはずだと考えました」

とはいえ、オンラインのコミュニティは時間が経過するにつれ規模が縮小していくものが多く「時間が経てば経つほど盛り上がるしくみ」にするために、高橋は工夫を重ねていきました。

高橋 「Slackを立ち上げ、オンラインでその日に話すトピックを募集しました。そして3カ月間、平日に1時間、Zoomで定例会を毎日開催し『そこにいけばいつも誰かがいて語り合える場』をつくりました。

また、定期的にイベントを開催し、SNSで発信するようにしました。5月には、TEDのプレゼン内容を視聴し意見交換をし、話題になっている本やニュースの内容をシェアするといった対話イベントを行いました。

8月に開催した『中高生スタートアップコンテスト』では、ガイアックスをはじめ、企業3社に協賛いただき、中高生合わせて44名が参加。表彰された3つのチームのアイデアについては、2020年現在各社関係者の間で事業化を検討中です。

こういったイベントを企画し、イベント参加者がその後もコミュニティに参加してくれる流れを少しずつつくっていきました」

毎日のようにオンラインで顔を合わせる参加者たちで目指す未来を語り合い、具現化を目指す過程を通して、お互いが持つ本音や考えを共有してきたCommand”F。

結果的に、直接顔を合わせなくても、何気ない会話から深い話まで参加者同士がなんでも話せるコミュニティへと成長することができました。

高橋 「今後、オンラインベースのコミュニティを運営する会社がもっと増えていけば、会社の垣根を超えて中高生や個人とのつながりをつくることができ、新たな価値も生まれていくと思います」

Command”Fを「中高生と社会をつなぐプラットフォーム」にしたい

▲熱い想いを持つ中高生の仲間がどんどん増えています

2020年9月現在、Command”Fは65名を超えるコミュニティとなり、ここで発案されたアイデアが少しずつ形になりつつあります。

高橋 「Command”Fでは、学校の友人に相談してもわかってもらえないことを話し合い、お互いに情報交換をし学び合うことができます。それだけではなく、企業のインターンにチャレンジしたり、ビジネスコンテストなどのイベントを主催・参加したりするなど、日々活動の幅は広がっています」

高橋自身、高校時代に「このことをもっと早く知っていれば、前に進めたのに」「大人たちとの接点があればすぐに解決できたのに」と感じることが多々ありました。

そのためCommand”Fでは、参加者同士でつながりあうだけではなく、会社や社会との橋渡しというサポートも必要だと高橋は考えます。

高橋 「Command”Fを『中高生と社会をつなぐプラットフォーム』にしたいんです。中高生がやりたいと思ったことをすべてCommand”Fで実現できるくらいに成長させたいと思っています。

現在このコミュニティでは、メンバー同士がオンラインで密にコミュニケーションが取れるため、ひとりでフラストレーションを抱え込まずに、みんなで話し合いができています。そして、熱い想いを解放し合い、彼らが『自分はありのままでいい』と思える居場所をつくることができました。

そしてこれからは、中高生の『こういうのがあったら良いのにな』という無邪気な願望を拾い上げて社会に届け、Command”Fでかなえるサポートをさらに加速させていきたいです」

中高生の働き方を創出するサードプレイス、コミュニティ「Command”F」。創設者高橋の挑戦はまだ始まったばかりです。